特集 入試改革を読み解く
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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2 分離・分割方式への対応予定

前期日程へのシフトが 大勢を占める

 分離・分割方式への各大学の対応は、高校現場の最も大きな関心事の一つである。図3は、入試方針を

「決定、検討中」の大学に、分離・分割方式に関する方針についてたずねた結果だ(複数回答)。
  まず「全体」では、「前期・後期の入学者割合は現状を維持」との回答が44.2%で最も多い。しかし、それに次いで「後期を廃止する(前期に一本化する)」「前期・後期の入学者割合は前期日程を増やす」との回答も、それぞれ31.7%、33.3%に達している。このことからも、全体としては前期シフトの傾向が顕著であることが分かる。

▼図3 クリックすると拡大します
図3

入試難易度により対応は分かれつつある

 より詳しく動向を見るため「学部系統別」「入試難易度別」「規模別」の観点からも分析してみたい。
  まず、学部系統別では、医歯薬保健系で「後期廃止」の回答率が高くなっているが、人文社会系では「現状維持」の回答が多い。学部系統ごとの人気・不人気の差が対応の差につながっているようだ。
  一方、入試難易度別で見た場合、難易度の高い大学で「後期廃止」、低い大学で「維持現状」に分かれている。難関大が後期廃止に動くことはある程度予測されていたが、難易度の低い大学の「後期重視」の回答は少数にどとまった。このことから、かつての一期・二期校への単なる回帰現象は認められないようだ。
  そして、大学を規模別に見た場合は、大規模大学ほど後期廃止に動く傾向が強いことが示されている。これに対し。学部数の少ない小規模大学では、「現状維持」や「後期日程の割合を増やす」との回答がやや目立った。


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