特集 入試改革を読み解く
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4 推薦・AO入試を導入する背景・理由について

受験者数の確保を重視する人文社会、理工農系

 引き続き推薦・AO入試について掘り下げてみたい。今後の大学改革の方向性とも関わる問題なので、ここでは推薦・AO入試を実施する際、何を重視するのかについて各大学に尋ねてみた。前ページに引き続き、「学部系統別」「入試難易度別」の2つの観点から見ていきたい(図5)。
  まず学部系統別に見てみると、不人気傾向が続いている人文社会系、理工農系で「受験者数の確保」という回答が多いことが分かる。早期に一定の入学者が確保できる推薦・AO入試は、定員充足率を読みやすくする上で重視されているのだろう。
  更に、人文社会系の場合は「入試業務の負荷、運営コスト」の項目についても、他の学部系統に比べて肯定率が高い。この点は、同学部系統に小規模学部が多く、入試業務を担当するスタッフが不足していることを反映しているのではないかと考えられる。
▼図5 クリックすると拡大します
図5

入試難易度により対応は二極化する傾向

 一方、入試難易度別に見てみると、やはり偏差値帯により、理由・背景も二極化する傾向が見て取れる。
  まず、偏差値58未満の大学では「受験者数の確保」が高い肯定率を示している。これらの大学では、定員確保に対する強い危機感を持っていると言えよう。
  これに対し、難関大の場合は「幅広い才能、素養を持った人材を確実に確保するため」の項目で他の偏差値帯の大学よりも高い数値を示している。これは後期日程の機能を、推薦・AO入試にシフトさせつつあることと関連がありそうである。


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