VIEW'S REPRT 学習計画・学習記録で自学自習力を付ける
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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VIEW'S REPORT 学習習慣定着ツールの運用

学習計画・学習記録で自学自習力を付ける

家庭学習習慣が身に付いていない生徒が多い中、学習量の確保や自学自習の習慣付けのために、学習計画を作成させたり記録させたりする学校が増えている。今号では、先進的な取り組みを進めている3校の事例を通して、「学習習慣定着ツール」の効果的な書式の在り方や運用方法について考察する。

 「学習習慣定着ツール」の書式や実施時期、運用方法は学校の実状に応じて様々である。しかしそれらを有効に活用している学校には共通のポイントがいくつかあるようだ。まずはそのポイントを確認しておこう。

 ポイント1 教師間コンセンサス

 ツールの運用に当たって、左の(1)~(3)の事項について、事前に教師間で確認しておくことが重要だ。

(1)学年全体で、どの期間にどの程度の学習時間を確保させるか
(2)(1)で決めた目標時間の中で、教科配分をどのようにするか
(3)ツールの狙いや使い方を正しく理解しているか

 ポイント2 PDCAサイクル

 PDCAサイクルを意識した指導を心掛けることも大切だ。生徒にツールを活用させる際は、次の四つがポイントになるだろう。

(1)目標を設定する
(2)目標に沿った計画を立てる
(3)計画の達成状況を記録する
(4)達成状況をチェックする

  (1)に関しては、生徒に学習量を確保させるために、学年単位で平日の1週間、あるいは長期休暇中の家庭学習時間などの目標数値を定めている学校が多いようだ。生徒は決められた目標時間に応じて、日々の学習の目標を立てることになる。
  (2)と(3)は、PDCAサイクルの中で最も重要な部分だ。いかに実現可能な計画を立てられるか、学年で定めた目標を達成するために、日々どのような計画を立て、実践していけばよいのか、教師が面談等でチェックし、計画の妥当性・達成状況をこまめに軌道修正していくことが大切である。
  (4)は、次の計画立案・実行を効果的に行うための作業であり、これを忘れてしまっては、PDCAサイクルは有効に機能しない。また、生徒自らが実績を振り返ると共に、教師側も学期に一度は生徒の学習状況を調査し、クラス・学年単位でその結果を分析する必要もあるだろう。それは、次に学年が示す目標設定の精度向上につながるはずだ。
  以上の点を踏まえ、次ページからは具体的に三つの学校でどのように「学習習慣定着ツール」を使用しているのか見ていきたい。


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