真のリーダー育成を目指して 成功のキャリアパスは自分でつくる時代

 
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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選ぶ力を付ける教育が高校までに必要

――以前は、良い大学に入って大企業に入るという、いわゆるエリートコースが決まっていましたが、現在はいろいろな成功のキャリアパスがあります。その反面、あまりに多様化しすぎていて選べない学生が増えてきているのも現状です。

  自分で進むべき道を見つけられない人というのは、何のために仕事をするのかということが分かっていないのだと思います。大学生の人気企業ランキングを見ると、優先順位が高いのは、自分が生かせる「自己実現」ができる会社です。でも、自分が何者かも分かっていないときに、自己実現といっても難しいと思います。加えて、それまでに自分で選択するというトレーニングができていません。今では変わってきましたが、昔、アメリカではレストランで日本人が全員同じものを注文するので有名でした。「ドレッシングは」「肉の焼き方は」などを聞かれ、全部自分で選択しなくてはなりません。「お仕着せ」に慣れている日本人にはこれが面倒くさかったのです。
  子どもたちも、小学生の頃から塾や習い事で自分のスケジュールが決められてしまっています。言われるままにこなしていて、自分からこれがやりたい、と言える環境ではないのではないでしょうか。そのまま成長すると、自分で何かを考えて選び取るというトレーニングができないままに、高校・大学と進むことになります。それで就職するときになって、何がやりたいですかと聞かれても、分かるはずがありません。「権利」には必ず「責任」が伴います。自分の選択に責任を持つトレーニングが、高校までの教育で必要だと思います。そういった教育なしでは、自分のやりたい仕事を選択することもできず、グローバルな人材は育たないと、私は思っています。


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