特集 つながる高大の「学び」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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1 高大連携に向けて大学が重視する取り組み

理系学部では高大連携に意欲的

 はじめに、高大連携について大学側がどのような取り組みを実施しているのか確認したい。ここでは「学部系統別」「大学規模別」「入試難易度別」の3つの観点からデータを分析する(図1)。
  まず、学部系統別に見ると、医歯薬保健系の学部でオープンキャンパスや大学・研究室訪問など、いわゆる体験型の取り組みを重視していることが分かる。これに対し、講演会・講義、実験など「学びを伴う体験」を重視する傾向が、理工農系の大学・学部で強くなっている。「理系学部の方が高大連携に熱心なようだ」との声は、度々高校現場から寄せられているが、その実感が裏付けられた形だ。昨今の高校生の「理科離れ」を大学側が認識し、理系の教科教育に対する興味・関心の喚起を図っていることがうかがわれる。

▼図1 クリックすると拡大します

図1

小規模大ほど 「学びを伴う体験」を重視

 大学規模別で見ると、小規模な大学ほど、「学びを伴う体験」を重視していることが分かる。学内コンセンサスの形成が容易なこと、アピールすべき魅力が明確なことが積極的な取り組みにつながっているのではないだろうか。
  入試難易度の高い大学では、全般に学びを伴う体験への取り組みに消極的である。元々受験生の人気が高いことや、大規模大が多く、学内コンセンサスが得にくいことが考えられる。
  もっとも、これらの大学についても大学間競争が激化するに連れ、取り組みを見直す大学も増えてくるだろう。中長期的に見た場合には、学びを伴う体験型の高大連携へと、取り組み内容が深化していくものと思われる。


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