特集 つながる高大の「学び」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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3 大学人が受験生に求める学力要件の内実

専門特性により求める学力要件に違い

 さて次に、本質的な高大連携の鍵となる、「高大の学力要件ギャップ」について詳細に見ていきたい。ここでは、大学人が受験生に求める学力要件を、「基礎学力」「表現力」「思考力」「課題対応力」の4つの観点から見ていく。なお、これらの観点は「公式利用」「図表読解」等の更に細かなカリキュラム要素から成り立っている(図3)。
  まず、学部系統別に見ると、各学部の専門特性に応じて、問われる学力要件にかなりの違いがあることが分かる。人文社会系で「根拠ある批判」、理工農系で「公式利用」「図表読解」の要求レベルが高いことなどは、高校現場の実感と合致するだろう。授業でどのような力を身に付けるべきか、志望進路を踏まえた意識付けを、生徒に積極的に仕掛けておきたい。

▼図3 クリックすると拡大します

図3

入試難易度にかかわらず「表現力」に高いニーズ

 一方、入試難易度別に見た場合、「文章作成」「論理的思考」「結論導出」「アイディア・方策」「情報整理」などの項目が、入試難易度とほぼ比例関係にあることが分かる。実際、難関大の入試問題ではこうした力が問われることが多い。高学力層の生徒の指導に際して留意したいポイントである。
  逆に、入試難易度と関わりなくニーズが高い学力要件もある。特に、「表現力」に関わる一連のカリキュラム要素は、難易度によらず、おしなべて高い数値を示している。
  プレゼンや口頭発表と聞くと、難関大で問われる力と考えられがちだが、データを見る限り、難易度にかかわらず要求水準は高い。高大の「教育接続」を考える上で、双方が協力して表現力をいかに育成するかが課題となるだろう。


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