特集 つながる高大の「学び」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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4 難関大突破に必要な学力要件の高大間ギャップ

難関大突破に必要な力の充足率は50%前後

 前ページの分析で、難関大突破の要件として「文章作成」「論理的思考」「結論導出」「アイディア・方策」「情報整理」などのカリキュラム要素が重要であることを見たが、そうした力が特に問われている背景には、実際にその学力を身に付けている高校生が、必ずしも多くはないことが考えられる。逆に、その力を身に付けた生徒ほど、難関大合格の可能性が見えてくるということになる。ここでは、特に「論理的思考」「結論導出」の2つのカリキュラム要素に絞って、分析を深めてみたい。
  まず、学部系統別に見た場合、「論理的思考」「結論導出」のいずれについても、高校生の習得肯定度は、大学人の要求度に遠く及ばない。充足率で見てみると、いずれも50%前後の数値にとどまっている。やはりこの点に関しては、高大のギャップは依然として大きいと言わざるを得ない。

学力の高い生徒ほど習得肯定度は高い

 しかし、大学・高校共に、入試難易度別の観点から改めてデータを整理してみると、興味深い傾向が見えてくる。すなわち、学力の高い生徒ほど、大学の要求水準に対して高い習得肯定度を示しているのだ。
  こうした力は高校での授業を通して培われるものである。今後、授業改善を進めていく上で、学力上位層に限らず論理的思考力を育成するような仕掛けが重要になるだろう。
  なお、「結論導出」に関し、偏差値53未満の生徒が最も高い充足率を示しているが、これはおそらく、自己モニタリング能力の不足によるものと見るべきだろう。

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図4

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