特集 つながる高大の「学び」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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5 高校生の学力別に見た習得認知度

「思考力」に関わる項目で顕著な差

 最後に、各カリキュラム要素に対する生徒の習得認知度が、偏差値帯によってどのように異なるのか検証してみたい。ここでは、「人文社会系学部」「医歯薬保健系学部」「理工農系学部」を目指す、平均偏差値68以上の生徒と、平均偏差値73以上の生徒について比較してみる。
  まず、一見して分かるのは、「思考力」に属するカリキュラム要素で、いずれの学部系統においても両者の間に差が生じていることだ。他のカリキュラム要素に、それほどの差が認められないことを考えると、難関大への合格力の差が、主として「思考力」の育成度合いによって決まっていることがうかがわれる。この点は、難関大を志望する生徒の指導のポイントとも符合する。

学力の高い生徒でも「表現力」は不十分

 このデータからはもう一つ読み取れることがある。それは、偏差値68以上、73以上と、学力的にはかなり高い生徒でありながら、「表現力」に分類されるカリキュラム要素については、いずれも他のカリキュラム要素よりもかなり低い水準の認知度にとどまっていることだ。
  前出のP.4のデータにより、「表現力」に対する大学人のニーズが、大学の入試難易度とは関係なく高いことを示したが、このデータを見る限り、現状の高校教育の中では、学力の高い生徒に対しても、表現力を伸ばす指導が十分に効果を発揮していないことが分かる。普段の授業の中に、いかに表現活動を採り入れていくかが、大学人が要求する学力要件をクリアできるかどうかの鍵になるであろう。

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図5

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