――話し合いを通して、高大で共通の「学力観」が見えてきたようですね。しかし、せっかく授業が変わっても、肝心の大学入試が旧態依然としたまま、というのでは高校側が困ります。その点についてはどうお考えですか?
杉原 例えば本学では「ゼミナール選考」というAO入試を実施しています(図参照)。大学で少人数授業を計2回実施した上で、更に面接やレポート、プレゼンテーションなども含めて学生の能力・適性を見る、かなり丁寧な入試です。これなどは今お話しに出てきた「大学が求める学力」を明確に意識した入試だと思います。しかし、本学の入学定員全体の中ではまだ少数ですから、高校に対するメッセージとしての効果はあっても、実際には多くの学生は通常の学科試験で入学してきます。その点では、一層の工夫改善の必要があると思います。
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