柔軟な科目履修が可能な点は、総合学科の一番の魅力である。だが、それは裏を返せば、「生徒側に明確な進路意識があって初めて機能するシステム」と言える。卒業後の進路が曖昧なままでは、どの科目を履修すればよいのか分からないし、逆に、低学年時に安易に履修科目を固めてしまった結果、学年が上がってから進路変更ができなくなるケースも皆無ではない。「総合的な学習の時間」「産業社会と人間」等を活用した進路学習、あるいは、カリキュラム選択に向けたガイダンス機能の拡充などが工夫されている。
一方、総合学科の実情が、大学や企業、社会に認知されていない点も大きな課題と言えよう。多様な資質を持った人材に対するニーズが高いにもかかわらず、企業や大学が、その実態をきちんと認識していないケースは未だ少なくない。生徒の資質を十分に生かせるように、教育機関、企業等との連携が必要とされている。
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