だが、岩崎先生は、そうした成果に必ずしも安心することはできないと指摘する。
「生徒の自己実現という観点から見れば、確かに本校の教育活動は高い成果を上げていると言えるかも知れません。しかし、こうした価値尺度に対して、社会の理解は必ずしも芳しくありません。例えば、学力が非常に高い生徒が4年制大以外の進路を選んだような場合、中学校の先生の理解を得るのは未だに難しいですよね。更に、進学の面についても、大学の総合学科枠が、実際には専門教科を中心に科目履修した生徒しか受け入れていないなどの課題もあります。そうした状況が改善されたとき、総合学科の成果がはじめて正当に評価されるのではないでしょうか」
教育活動の質そのものに加え、社会とのギャップをどう解消していくのか。この点もまた、総合学科がこれから向き合っていかねばならない大きな課題のようだ。
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