ベネッセ教育総合研究所
SSH指定校レポート
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参加した生徒以外へも影響が
 この取り組みは、教師自身にとっても極めて貴重な体験となっている。
 「科学は日々進歩しているにもかかわらず、教師は授業で学生の頃の研究領域レベルにとどまった話をしがちです。SSHでは、高校の教師も生徒が行う実験に自ら参加したり、事前勉強として、第一線の研究者の発信や、最新の研究事例に触れたりする機会があります。それらの経験を積むことは、平素の授業の工夫や指導ノウハウの改善、進路指導の充実につながっていくという波及効果もあるのです」(藤原先生)
 「参加する生徒は、クラスに数名ずつです。しかし、夏休みが終わり、彼らがクラスの仲間に研究室での体験やその魅力を語ると、一気に情報が広がって、クラス全体に波及していく。その影響力はとても大きいものです。SSHの指定期間が終了して、予算措置が講じられなくなったとしても、この『特別課外活動II』は是非とも継続していきたいと思います。私は、この試みには、それだけの価値があると感じています」(青山教頭)
高校主導による高大連携
 “普通科ならではのSSH”を目指した岡崎高校は、SSH初年度である02年度入学生に対し、学校設定教科「スーパーサイエンス授業」を1年次の必修科目とし、2年次以降も理型選択者には必修科目とした。一般に、「スーパーサイエンス授業」のように外部から講師を招く特殊な授業形態では、時間割の調整にかなり苦労する場合が多い。そこで岡崎高校では、1年次は芸術、2年次(理型)は家庭、3年次(理型)は保健体育から各1単位を減単することで授業時間を設定。外部講師を招く都合上、1日4時間の集中講義とした。
 「講義を担当していただく先生には単に4時間の講義をするだけでなく、指導教授、大学院生、本校教員も加わった形で行う実験、観察などの実習の時間を必ず設けてほしいとお願いしました。課題は200名又は400名が一斉に実習できるかどうかということ。どのような実験や観察ができるのか、事前に講師の先生と何度も打ち合わせを行いました。薬品や実験器具を相当数分揃えるだけでも一苦労でした」(藤原先生)
 授業は外部講師(主に名古屋大大学院理学研究科)と、岡崎高校教師とのチームティーチング方式だが、授業計画の立案をはじめ、高大連携に関わる取り組みは高校側が主導する形で運営される。
 「大学側のスタッフにすべてお任せするのではなく、本校の教員が生徒の興味・関心などを考慮し、企画の柱を打ち立て、大学の先生方と一緒に授業の方法を考えていきます。準備にしても、高校の教員ができる限りのことはやっておく。外部に“丸投げ”ではやはりいけないと思います。講義を受けるために必要な基礎知識を、事前に生徒に理解させておくのも私たちの役目です。そうすることでスーパーサイエンス授業にふさわしいレベルの理解につながります」(高井先生)

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