倉光 高大連携が進むにつれ、高校と大学の間に立つ調整役が必要になります。私は、そのような人材を育成する役目はやはり行政にあると思います。高校の先生を煩雑な書類作成から早く解放してあげてほしいと強く感じています。
柳澤 それは大学も同じですね。「スーパーサイエンス特別コース」では、カリキュラム開発や学生へのフォローを行う「教育コーディネーター」という専門職を配置しました。もはや大学において高校との連携や生徒への修学面のフォローは、研究者だけで十分行えるようなものではなくなりつつあります。
小川 SSH1期生が大学院を修了する頃は、COEも終了し、大学は予算的にも恵まれてはいないかも知れません。そのとき、学生たちはどんな進路を選ぶのか。学生の進路選択に、大学は関わるべきなのか、関わるとすればどのような形が望ましいのか。研究者養成という限られた視点だけでなく、トータルな理数系人材の育成にどう関与していくべきかを今から考える必要があると思います。
日本の理数教育は様々な問題を抱えています。その打開策として始められたSSH等の試みを今後も続け、高校と大学が連携して教育に携わることが重要だと考えています。そうでなければ、日本の将来はどんどん先細りになってしまう。そういう危機感を私たちは持つべきではないでしょうか。
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