真のリーダー育成を目指して 盛岡第一高校の考える人材育成



「Think Globally Act Locally」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 2/4 前ページ  次ページ

生徒を大人として捉える

――人間的な関わり合いが生徒を伸ばすために大切だとのご指摘ですが、日頃の指導ではどのようなことを重視していますか。

  まず第一に、生徒をきちんと大人として捉えることですね。最近の生徒は精神年齢が幼くなっていると言われがちですが、教師が生徒を子ども扱いしている間は、生徒も意識して成長しようとしません。確立した一個の自我として生徒を尊重することが、まず大切ではないでしょうか。特に、教師としてのキャリアを積むに連れ、「この生徒はこういうタイプだな」という具合に、パターン化して生徒を見てしまうことがありがちです。ですから、教育活動のさまざまな場面で、できるだけ生徒に自己表現をさせ、生徒のパーソナリティーを捉えるように仕掛けることが大切だと思います。

――生徒との人間的な関係性を意識した指導としては、どのような場面があるのでしょうか。

  講演会や学校行事など、いわゆるイベント的なものも効果はありますが、何より1時間1時間の授業が重要だと思います。授業こそが、琴線に触れ合う最高の教育環境だからです。実は、そうした場こそ、教師も生徒もパーソナリティーを発揮する場だと思うのです。生徒に聞いてみても、授業スキルの問題以前に、例えば、「あの先生が言うんだったらやってみよう」「あの先生の価値観は参考にしたい」というように、教師との人間的な関係性を軸にして、能動的な学びへと向かっていく部分が大きいですよね。また、授業の展開の中で教師が話す、ちょっとした体験談や人生観、社会観、更に哲学的な話題などをきっかけに、生徒が自分の生き方について深く考えるようになったりするのもよくあることです。教師の間で「生徒が化けた」なんて言い方をしますが、そういう場は何も特別なイベントの中だけではないんです。「自分はこういう教師でありたいんだ」という教師像や使命感をしっかり持っている先生は、普段の授業の中で生徒を成長させられる先生だと思います。


  PAGE 2/4 前ページ 次ページ