03年度から学年進行で進んできた高校現場における新課程への移行は、05年度をもって完了した。ここ数年の間に、新入生合宿やシラバス作成、学習法ガイダンス等が全国的に普及したが、取り組みが一定の成果を上げた学校では、「既に新課程への対応は一段落した」という声も聞かれるようになりつつある。
だが、そうした声の一方で、今後の行方に新たな危機感を抱く教師も少なくない。「中学3年間を完全に新課程で過ごした『完全新課程生』への対応はまだ未完成だ」という見解である。
周知のように、中学校における新課程は、02年度から全学年一斉にスタートした。したがって、03、04年度入学生は、中学時代に旧課程による教育を一部受けていることになる。
これに対し、05年度入学生以降は、中学3年間すべてを新課程で学んだ「完全新課程生」である。「03年度を機に進められた新課程対応の正念場は、まさにこれから」との指摘は、そうした現状を踏まえてのことだ。
そこで次ページからは、「完全新課程生」の実態を、03、04年度入学生のデータと比較しつつ探ってみたい。
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