VIEW'S REPORT 小・中学校におけるR-PDCAサイクル 小・中学校は「学力向上」の成果をどう認識しているのか

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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3 ドゥ(Do)

取り組みの注力度合い

 「ドゥ」の段階では、教科ごとの指導改善にとどまらず、カリキュラム改善や工夫、学び合う集団づくり、指導ノウハウの共有化など、学校全体としての取り組みが、成否を分ける要因になっている(図4)。中でも、「かなり」と「まあ」の差異が大きい項目の一つが「保護者等の指導補助としての活用」であることからも分かる通り、保護者との連携が重要であると言えそうだ。

図4

  特徴的なのは、「個に応じた指導形態の工夫」だ。共に9割以上が「力を入れている」と回答している。加えて、「最も力を入れて効果が上がった取り組みは何か」という別の設問に対して、共に最も多かった回答も、この「個に応じた指導形態の工夫」であった。小・中学校においては、少人数指導や習熟度別指導を前提として、より効果の上がる指導方法や体制づくりに向けて工夫・改善する動きが始まろうとしている
  生徒が学び合う集団になるには、教師たちがまずそうした集団にならなければならないということを認識した上で、組織的な指導を実践していきたい。新潟県のD中学校の「何のために仲間と関わらせていくか、その意図を明確にすることが『学び合う集団づくり』にとって重要なこと」という指摘には、「意図を明確にする」中で、教師同士が「学び合う集団」になっている姿が垣間見られる。
  また、ドゥには生徒の学力向上に向けた取り組みのほか、教師の指導力をいかに高めるかという教師側のドゥもある。教科の指導力はもちろん、保護者や地域の協力を引き出す方法なども含めたコーディネーターとしての力も含まれる。また、管理職には行政との折衝能力の向上も必要だ。生徒が「学び合う集団」になるには、教師同士がまずそうした集団になることを心掛けていく必要があるだろう。


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