以上、「かなり成果が上がった」学校と「まあ成果が上がった」学校との違いを、R-PDCAサイクルの段階ごとに見てきた。
ただ、リサーチの段階でも述べたとおり、一連のサイクルを機能させるためには、その大前提として校内コンセンサスの醸成が欠かせない。生徒にどのような力を付けさせるのかというコンセンサスがあって初めて学校のグランドデザインができ、それに応じてR-PDCAの各段階における取り組みが策定されるからだ。
最後に、その前提となる「育成したい力」について見ることで、小・中学校と高校における指導の接続について考えてみたい。
図7は、育てたい力の優先順位第5位までの選択率上位5項目(複数選択)を、学年段階別に見たものだ。最大の特徴は、小学校高学年以外のすべての段階で、「関心・意欲・態度の育成」が第1位を占めており、しかも、小学校よりも中学校の方がその割合が高いことだ。更に、すべての学年で「基礎・基本の定着」が第2位になっていることからも分かるように、中学校においては、まず学習が成立する前提となる関心・意欲・態度を育成し、その上で基礎・基本の習得を図るという指導が定着しているようだ。関心・意欲・態度を高めるための動機づけの手法を、高校で更に工夫していく視点も必要だろう。
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