VIEW'S REPORT 小・中学校におけるR-PDCAサイクル 小・中学校は「学力向上」の成果をどう認識しているのか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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5 アクション(Action)

取り組みの改善方法の違い

 「アクション」段階の特徴の一つは、チェック段階同様、各項目の「とても当てはまる」の回答割合が、「かなり」と「まあ」で2~3倍の開きがある点だろう(図6)。

図6

  特に、「改善課題について具体的な行動計画を作成する」「未達成の目標は、その単元や学期内にきちんと補充指導をする」「取り組みの成果の評価を踏まえ教師の研修内容や連携・協働の在り方を改善する」などの項目で「かなり」と「まあ」で3倍程度の差が見られる。「かなり」と回答した小・中学校では、「指導と評価の一体化」の視点で取り組みの改善がなされていることが分かる
  また、この段階におけるもう一つの特徴は、これまで見てきたリサーチ、プラン、ドゥ、チェックの各フェーズに比べて、各項目における「とても当てはまる」の割合が、「かなり」「まあ」ともに20ポイント程度低くなっていることだ。このことは、チェックまではなされていても、それを踏まえた「積み上がる改善」までは実行されていないことを表している。背景には、公立学校における教師の異動の問題や、取り組みは単年度で完結するという考え方が強いことが挙げられる。
  「かなり」と回答した小・中学校では、この点に関しても改善や工夫を行っている場合が多い。例えば、鹿児島県のF小学校では、「指導要録や諸活動の記録を活用し、年度の変わり目に連絡会を設定している」という。同校では、毎年学級編成が行われることもあって、児童個人のデータが引き継がれにくいという課題があったのだ。各校固有の課題を踏まえた上で、取り組みの策定を進めている様子がうかがえる。


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