特集 「学校力」を考える(1) 学び高める「指導力」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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上意下達ではなくチームとして「指導力」を高める

保科 生徒の多様化だけでなく、教師の多様化、特に若い先生の価値観の変化を考えると、ノウハウ伝承のスタイルにも見直しが必要ではないでしょうか。従来のように、ベテランの先生から若い先生に「上意下達」型で教える、というスタイルがどうもうまく機能しなくなってきた面もあります。
  そこで今後は、「チームとして指導力を高める」ことを、もっと考えていく必要があるのではないかと思います。本校では、5教科の共通指導マニュアルを作成・共有化し、指導力の向上を図っています。これはシラバスとは異なり、完全に教師向けで、どんな教材をいつまでに使って、どこまで生徒を引き上げるのか、詳細に設定したものです。年齢・経験の異なる教師集団の、「チームとして指導力を高める」方策の一つです。

長岡
 先生同士が「授業を見せ合う」ことも大切ですね。まず、ベテランの先生が若い先生に自分の授業をオープンにして、意見を求めることから始めるのは良い方法だと思います。若い先生にばかり公開授業をさせてしまうと、公開授業のための授業となり、あまり効果がありませんから。
  あるいは、公開授業をする場合、担当教科以外の授業を見に行くこともよいでしょう。同じ教科だとなかなか口出ししにくい面がありますが、他教科の場合は、別の視点から意見を言うことができますし、相手も素直に意見を受け止めやすいのではないでしょうか。

保科
 「チーム」として、良い意味での「無駄な時間」をいかに確保できるかも重要だと思います。例えば、職員室での雑談や、学年会後の「飲み会」などです。一見、無駄に思えるようなこうした時間や場も、先生方一人ひとりの「個性」をお互いが把握し、その「個性」を尊重し合いながら、「チーム」としての共通目標や共通理解を固めていく上で、非常に大切だと思うからです。結果として、教師の指導力の向上にもつながっていくのではないでしょうか。

図

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