昨今、学校にも経営指標として「数値目標」を設定し、保護者や地域社会など外部への説明責任を果たすことが求められています。しかし、教師が現場の切実な課題を踏まえた数字として実感できなければ、目標達成に向けた活動にはつながりません。
もちろん、目標の数値化を否定しているわけではありません。「数値化することのみに意味がある」という考え方が問題だと思うのです。仮に、「自学自習力をつける」「進路指導を体系化する」という数値化されていない目標でも、教師の日常的な実感とつながっているのなら、それでよいのではないでしょうか。その学校の教師が、目標を豊かなイメージを持って理解し、教師間で共有できてこそ、その目標の実現に向けて、全教師が動機付けられるのだと思います。
意味のある目標であれば、抽象的な言葉でもよいのです。ビジョンと目標を、自校の教師が実感を持って共有できれば、更にそこから教科や学年、分掌ごとの具体的な行動計画に発展できるのではないでしょうか。実は、これが最も重要なポイントです。数値目標を達成すれば学校の経営的な課題が解決される、というわけではありません。日々変化し、成長する生徒たちを前に、その目標が本当に生徒の実態や学校の課題に即したものであるかどうかが、常に問われているのです。
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