特集 「学校力」を考える(2)「学校経営力」を高める
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「時間軸」の発想を併せ持つ戦略の構築を

 学校経営では「戦略性」も重要です。限られた資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の中で、ビジョンと目標を実現していかなければならないからです。その際、資源を「どこに」配分するのかはもちろん、「いつ」配分するのかといった「時間軸」を併せ持つことも大切な視点となります。
 例えば、高校3年間の「入り口」「中身」「出口」の時期の戦略を考えてみましょう。「入り口」では、「優秀な生徒の確保」といった広報戦略や、「入学した生徒を3年間でどう伸ばすか」という発想を持って、導入期の指導に重点を置く戦略などが考えられます。「中身」では、入り口の戦略に基づきながら、カリキュラムの改善と、授業での具体的な指導改善という両面から効果的な教育プランを考えることが挙げられます。「出口」では、例えば卒業生の追跡調査を行い、自分たちの指導を検証して、次の一手へのヒントを得ることも可能でしょう。
  更に、中長期的なビジョンや戦略を描くことも必要です。3年間でどのような生徒を育成していくのか。5年先、10年先に学校として到達していたい学校像はどのようなものか。それらを定めた上で、戦略を描いていくのです。
  教師の異動サイクルは、短期化しています。校長の任期も2~3年が通常でしょう。そのため、単年度の目標と教育実践、総括は盛んに行われていますが、中長期的な視点でのビジョンづくりには弱い面があるようです。しかし、先を見通して、どのような学校にしたいかを考えることは、今、目の前にいる生徒の教育を考える上においても有効であるはずです。


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