長野県佐久市は浅間山、荒船山、八ヶ岳に囲まれ、南北に千曲川が貫流する豊かな自然に恵まれた高原都市である。佐久長聖高校は、同市北部に位置する私立の中高一貫校だ。生徒は進学を目指すI類、文武両道を目指すII類、中高一貫のIII類に分かれ、それぞれに目標を持って切磋琢磨している。
佐久長聖高校は県下初の中高一貫課程の推進、理数コース・英語コース等の特別編成クラスの設置など、他校に先駆けて新たな施策を次々と打ち出し、公立・私立を問わず、県内の多くの高校に刺激を与えてきた。公立高校の人気が根強い長野県にあって、佐久長聖高校が注目を集めているのは、そのためである。
佐久長聖高校を改革に駆り立てるのは「公立校の中に埋没することへの危機感」にほかならない。進学研究室長の飯島千尋先生は次のように述べる。
「常に先手を打って改革を実行してきたのは、下り坂になってから改革に着手したのでは遅いという意識があるからです。実績を上げることでより高いレベルの生徒に入学してもらい、それにより更に高い実績を出す。それが、生徒や保護者の信頼を勝ち取り、ひいては本校の発展につながると考えています」
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