指導変革の軌跡 長野県・私立佐久長聖高校「学校風土の醸成」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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寮生活を通して学び合う風土を醸成

 佐久長聖高校がコンスタントに実績を上げ続けてきた原動力はどこにあるのだろうか。飯島先生はそれを「生徒同士が刺激し合うことで生まれる相乗効果」だと語る。
  「勉強やスポーツで実績を上げる先輩やクラスメイトの姿を見て、生徒たちが『やればできる』という自信を持てるようになったことが大きいですね。全国大会、世界大会に出場するような選手が、自分たちと同じように学校生活を送っていることが、プライドを醸成し、高い意識を持たせているのだと思います」
  「相乗効果」を高める上で、最も重要な役割を果たしているのが学校寮の存在だ。佐久長聖高校では、毎年約100名の新入生が寮生活を始める。寮生は起床から食事、学習、就寝まで規則正しい生活を送るが、中でも、全国レベルの部活動に所属するII類の生徒の礼儀正しく規則正しい姿が、ほかの生徒に大きな刺激を与えているという。
  「野球部や駅伝部の生徒は朝5時30分には起床し、朝練までのウォーミングアップを兼ねて寮の周囲を清掃したり、冬には駅までの道を雪かきしたりしています。そして、朝練が終わるとすぐに授業に臨み、夕方には再び練習して、寮に帰って学習に取り組む。そんなII類の生徒たちの姿を見てI・III類の生徒も、『自分たちも頑張らなければ』という思いを強くするのです」(飯島先生)
  06年度最初の寮のミーティングでは、III類の生徒が新入生に対して「自分たちは勉強一本だから、当然学習に専念しなければならない」と、訴えている姿が見られたという。もちろん、教師の指示を受けたわけではない。自分たちの思いを、当然のこととして、後輩に伝えているにすぎないのだ。「教師が言うよりもはるかに効果がある」と、飯島先生は笑みを浮かべる。


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