中学校の現場から 保護者への取り組み
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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中学校の現場から

生徒の履歴をつかみ、今の指導につなげる

保護者への取り組み
積極的な情報公開で保護者の理解と協力を得る

 保護者が学校教育に果たす役割は、ここ数年、重要度が増しつつある。学校週5日制や学習習慣の未定着、生活習慣の乱れなど、学習環境や生徒の気質の変化により、家庭の協力が不可欠になっているからだ。
  一方で、「保護者の気質も変化している」といわれている。ライフスタイルの変化などにより、家庭環境がますます多様化していることが、その背景にあると考えられる。さまざまな教育観を持つ保護者と、どうすればうまく連携を取れるのかという悩みは、多くの高校で共通するものだろう。
  そこで今号では、高校と同様に多様な保護者に対応している中学校の取り組みを紹介する。

保護者が最も知りたいのは学校での子どもの様子

 中学生の保護者は、子どもの通う学校に何を望んでいるのだろうか。
  図1を見ると、最も望んでいることは「子どもの学校での様子を保護者に伝える」で、「学校の教育方針を保護者に伝える」が続く。いずれも9割以上の高い数値を示しており、学校での活動について知りたいと強く思っていることがわかる。一方、保護者自身が積極的に教育活動にかかわりたい、という項目は相対的に数値が低い。学校に教育は任せたいが、何をしているのかは知りたいと考えているようだ。
  では、中学校はこうした保護者の要望にどの程度応えられているのだろうか。図2を見ると、学校の取り組みに対して保護者の満足度が高いものは、文化活動やスポーツ活動といった項目だ。一方、「一人ひとりの学力や興味に応じた指導」「学ぶ意欲を高めること」といった学習指導に関する項目の満足度は相対的に低くなっている。つまり、成果が目に見えやすい活動は保護者が実感を得やすいために満足度が高いが、成果が見えにくい活動については満足度が低いと分析できる。
  この二つのデータから、保護者にとって見えにくい活動も含めて学校全体の取り組みを効果的に発信していくことは、中学校の大きな課題の一つといえるだろう。

図1,2

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