中学生の保護者は、子どもの通う学校に何を望んでいるのだろうか。
図1を見ると、最も望んでいることは「子どもの学校での様子を保護者に伝える」で、「学校の教育方針を保護者に伝える」が続く。いずれも9割以上の高い数値を示しており、学校での活動について知りたいと強く思っていることがわかる。一方、保護者自身が積極的に教育活動にかかわりたい、という項目は相対的に数値が低い。学校に教育は任せたいが、何をしているのかは知りたいと考えているようだ。
では、中学校はこうした保護者の要望にどの程度応えられているのだろうか。図2を見ると、学校の取り組みに対して保護者の満足度が高いものは、文化活動やスポーツ活動といった項目だ。一方、「一人ひとりの学力や興味に応じた指導」「学ぶ意欲を高めること」といった学習指導に関する項目の満足度は相対的に低くなっている。つまり、成果が目に見えやすい活動は保護者が実感を得やすいために満足度が高いが、成果が見えにくい活動については満足度が低いと分析できる。
この二つのデータから、保護者にとって見えにくい活動も含めて学校全体の取り組みを効果的に発信していくことは、中学校の大きな課題の一つといえるだろう。
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