中学校の現場から 保護者への取り組み
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 2/4 前ページ  次ページ

公開授業などで教育活動への理解を得る

 実際、中学校では保護者に対する情報公開に力を入れるようになっている。
  今の教育は、保護者が受けてきたころの教育とはかなり異なる。今では多くの学校が取り入れている習熟度別授業や少人数授業、2学期制などは、保護者の中学時代にはあまり行われていなかったことだ。保護者自身に体験がないために、学校が子どものためにと行う教育活動でも、子どもにどのような影響があるのか、保護者は不安を抱きやすい。特に、新しい取り組みを始める場合、事前に保護者の理解を得ておくことがのちのちの苦情やトラブルを防ぐためにも重要、といった認識が中学校側にはある。こうした事情もあり、中学校は学校通信やPTA総会、ホームページなどを活用しながら保護者に情報を伝えている。
  特徴的なのは、公開授業を積極的に行っていることだ。保護者の要望が高いために行うというだけではなく、普段の生徒の様子を見てもらうことで、学校の現状を実感してもらい、指導の内容を理解してほしいという狙いもある。「公開授業週間」などを設定して学校を1週間開放し、保護者が自分の子どものクラスだけでなく、校内のすべての授業を自由に見学できる行事を設けるといったことも行われている。
  もちろん、地域によって中学校の抱えている事情は異なり、保護者の学校に対するかかわり方もさまざまだ。例えば、学力の高い小学生の多くが私立中学校に進学してしまう公立中学校や、保護者の教育への関心が低く、学校活動に協力を得にくいという中学校がある。一方、いわゆる地域社会が残っていて、保護者も学校活動に協力的という中学校もある。このように中学校によって保護者への課題は異なる。学区内の中学校がどのような課題を持ち、どう対応しているのかをつかむことで、保護者が学校に望むことや、協力してきた活動がわかる。高校入学後にも保護者の協力を得る上で、中学校との情報共有は重要だろう。
  いずれにしても、中学校は積極的に自校の情報を公開することで、保護者の協力を得ようと努力をしているようだ。それでは、実際どのように情報発信を行っているのか。ホームページで生徒の様子を積極的に伝えている愛知県小牧市立小牧中学校の実践を次ページで紹介する。

中学校の保護者への取り組みの特徴

学校の様子をさまざまなツールで伝える
学校での子どもの様子を知りたいという保護者の要望に応え、公開授業などを積極的に実施
不安解消のための事前説明を丁寧に行う
新しい活動を行う際は、事前に保護者への説明をきちんと行い、理解を得る

  PAGE 2/4 前ページ 次ページ