特集 「学校力」を考える(3)生徒が伸びる面談
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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技法3 例外の発見
良い状態を聞き出し意図的につくり出す

 更に効果的な技法が「例外の発見」です。生徒が訴えている「困っていること」は、常に起こっているとは限らないという考え方です。
  例えば、生徒が「眠れなくて困っている」と訴えてきたとします。しかし、眠らなければ死んでしまいますから、不眠症とはいいながら何らかの条件の下では寝ているはずです。つまり、「困っていること」が起こっていない状態=うまくいっている状態というのがあるはずで、それを明らかにし、うまくいっている状態を意図的につくり出していこうという技法です(図3)。例外も習慣化すれば例外ではなくなる、つまり問題が解決したことになるというわけです。
  「点数化質問」も「例外の発見」も、実は生徒に自分を客観的に観察させること自体に意味があります。面談を繰り返すことで、生徒自身が自分の内面を見つめ、問題点を解決する技法を身に付ければ、日常生活の別の場面でも応用できるようになります。もちろん、これは理想ですが、面談そのものが自ら課題を見つけ、解決できる力を身に付けさせる「教育」そのものになっている点も解決志向型面談の特徴なのです。

 これらは心理学を基礎に理論化されている手法の一部ですが、難しく考える必要はありません。生徒の課題を解決し、より良い方向に導いていくという目的は、今までと変わりません。少しアプローチを変えるだけで、より効果的な面談になると意識することが大切だと思います。


図3

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