解決志向型面談で重要なことは、生徒自らに考えさせる点だと冒頭で述べました。先に挙げた学習時間の例でいうと、教師が既に「1時間半」と目標を思い描いていても、それが生徒の口から出るよう教師が導いていくのです。教師から言われると生徒は「やらされている」と思いますが、自分の口から出た言葉であれば責任を持って取り組むようになります。それに対して「協力しよう」と教師が言えば、生徒は見守られていると安心し、より勉強に打ち込むことができるのです。
では、どのように導けば、生徒が自ら目標を言えるようになるのか。その技法の一つが「点数化質問」です。どんな事柄でも、生徒は理想を持っています。生徒の中で曖昧になっている問題に点数をつけさせることで、問題の度合いを共有するのです。
加えて「スモールチェンジ」と言われる技法を併用するとより効果が高まります。1点でも良い方向に変化させ、小さな成功体験を積み上げさせるのです。面談では、点数を1点上げるためにはどうすればよいか、1点上がった状態とはどういうことかを具体的に話します(図2)。目標を小さく設定するのは、いきなり目標を大きくすると、失敗したときに次につながらなくなるからです。
ここで重要なのは、どんな小さな進歩でもきちんと褒めることです。学習時間が5分でも増えれば「よくやっているな」と声をかける。私は、できなかったときは×、できたときは○、更によくできたときは◎をつけるというように視覚化して見せるようにしています。○だけでなく、◎というプラスαを設定すると、生徒はそれに向けて努力するものです。
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