指導変革の軌跡 兵庫県立姫路東高校「単位制高校」
兵庫県立姫路東高校

兵庫県立 姫路東高校

2006年に創立97周年を迎える伝統校。「自主、創造、友愛」を校訓に自主性を重んじた教育に取り組む。周辺は姫山原生林や姫路城中堀の木立などの自然も豊か。市立美術館、県立歴史博物館などの文化施設を活用した教育も積極的に行う。

設立●1910年(明治43年)

形態●全日制・定時制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約280名

06年度進路実績●国公立大は東京大1名、京都大2名、大阪大8名、神戸大27名、九州大2名など204名、私立大は同志社大24名、立命館大44名、関西大47名、関西学院大98名など、延べ481名が合格。

住所●兵庫県姫路市本町68-70

TEL●079-285-1166

WEB PAGE●http://www.hyogo-c.
ed.jp/‾himehigashi-hs/


永井達郎

▲兵庫県立姫路東高校教頭

永井達郎

Nagai Tatsuro

教職歴32年目。姫路東高校に赴任して1年目。「何事にも誠実であることが大切ということを生徒には伝えていきたい」

鶴田尚男

▲兵庫県立姫路東高校

鶴田尚男

Tsuruta Hisao

教職歴35年目。姫路東高校に赴任して6年目。総務部長。「生徒には穏やかさだけでなく、もっと我を出してほしい」

有本清敏

▲兵庫県立姫路東高校

有本清敏

Arimoto Kiyotoshi

教職歴28年目。姫路東高校に赴任して13年目。進路指導部長。「重圧の中で結果を出してくれた生徒に感謝します」

常陰哲也

▲兵庫県立姫路東高校

常陰哲也

Tsunekage Tetsuya

教職歴27年目。姫路東高校に赴任して12年目。単位制推進委員会委員長。「単位制を通じて生きる力を身に付けさせたい」

定本永史

▲兵庫県立姫路東高校

定本永史

Sadamoto Hisashi

教職歴19年目。姫路東高校に赴任して6年目。3年次担任。「生徒には夢を持ち、それを追い続ける人物になってほしい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指導変革の軌跡69


兵庫県立 姫路東高校「単位制高校」

自主的な科目選択で夢を実現する粘り強さを体得させる

● 実践のポイント
単位制移行に伴い、OBも巻き込んで大規模な広報活動を展開
キャリア教育、面談の充実等で生徒の進路意識を高める
単位制のメリットを生かし、生徒の粘り強さを引き出す

急激な入試改革の中で単位制に活路を見いだす

 兵庫県立姫路東高校が単位制への移行を決めたのは、2000年の秋。きっかけは県の入試改革だ。05年度から姫路東高校のある姫路福崎学区において、複数志願制の導入が決定した。学区内の高校を2校まで志願できる制度で、第1志望には50点が加算される。姫路東高校は、同じ学区の姫路西高校と競り合ってきたこともあり、「座して同制度の導入を待てば、上位層をさらわれてしまうのではないかという危惧があった」と総務部長の鶴田尚男先生は振り返る。
  そんな折、兵庫県教育委員会から単位制導入の提案を受ける。当時、兵庫県は単位制高校を各学区1校設置する施策を進めており、姫路福崎学区では姫路東高校に白羽の矢が立ったのだ。単位制高校は全県一区で、推薦入試で定員の半数まで募集できることになっていた。学区を越えて成績優秀者を募集できる魅力があった。
  だが、何よりも大きかったのは、単位制の導入が飛躍のきっかけになるのではないかという期待感だった。学校を変えるチャンスに――。こうして、新たな学校像を模索する教師たちの挑戦が始まった。


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