中学校の現場から 学習習慣の定着
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「自主学習ノート」で学力の二極化に対応

 宿題以外の工夫としては、「毎日、学習調査をし、頑張った生徒を褒める」「定期考査の予告を早めにし、学習計画を立てさせる」なども見られたが、最も多かったのは「自主学習ノート」だ。これは、毎日ノート1ページ分などのノルマを課すが、学習内容は生徒自身に考えさせ、毎日または毎週と定期的に提出させる取り組みだ。あくまでも机に向かわせることを目的とし、内容は英単語や漢字の書き取り、計算練習など基礎的なものでもかまわない。生徒にきちんと取り組ませるため、基本的には教師が点検し、コメントを添えて即日返却する。保護者に子どもの学習内容を把握してもらうため、保護者のチェックを受けてから提出させる中学校もある。生徒が自分の学力に合わせて課題を選べるため、「学力の二極化」という中学校の現状にも適した方法といえる。
  ただ、提出を必須にしても、未提出の生徒はどうしても出てくる。そうした生徒は学習習慣が最も必要な成績下位層であることが多い。そこで、未提出の生徒は放課後に取り組ませたり、動機付けのためにノート1冊が終了すると校長先生が新しいノートを手渡すようにしている中学校もある。
  このように、中学校は生徒の家庭学習習慣の定着を図ろうとさまざまな指導をしている。では、実際にどのような工夫をしているのだろうか。「自主学習ノート」を中心とした学習習慣の定着を図る山形県鶴岡市立鶴岡第二中学校の取り組みを見ていこう。

中学校の学習習慣定着のための取り組みの特徴

課題の多い成績下位層支援に力を入れる
成績下位層は、家庭学習の時間が少ないだけでなく、学習意欲も低い場合が多く、徹底した指導が必要になる
自主学習ノートでとにかく机に向かわせる
「学習内容は自由」という自主学習ノートに取り組ませ、机に向かう習慣付けを行う

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