私は大学で、選挙で候補者が掲げる「公約」について研究してきました。人々の思いを政治に反映させるには、有権者と代議士の約束事である公約が守られていることが条件となるからです。
選挙では、まず候補者が明確な公約を有権者に示さなくてはなりません。有権者にも、候補者の公約をきちんと理解した上で議会に送り込みたい候補者を選び、投票することが求められます。更に当選した議員は、選挙時の公約を守り、実行に移すことが不可欠です。
これまで、「選挙のときに、有権者が正確に公約を理解しているか」「有権者は投票をするときに、候補者の公約をどれくらい重視しているか」といった調査をしてきました。
その結果、「有権者は、候補者の公約をあまり信用していないらしい」ということが見えてきました。有権者と代議士の約束事である公約がそもそも信用されていないようでは、民意が政治に反映されるわけがありません。有権者が公約を信用しなくなったのには、何か原因があるはずです。その原因を探り、公約の信頼性を取り戻す方策を見つけ出すことが、これからの私の課題です。
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