未来をつくる大学の研究室 分子生物学・アポトーシス
松本淳

松本淳さん

まつもと・じゅん
慶應義塾大大学院法学研究科
後期博士課程
多文化市民意識研究センター


VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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大学院生が語る

中学校時代に抱いた疑問が政治学研究の出発点

政治学を学ぶきっかけ
社会問題に対する政府の対応の遅さに疑問を感じて

 私が政治学に興味を持ったのは、中学校時代です。ある報道番組で、ダイオキシンの問題が取り上げられていました。ダイオキシンは、ベトナム戦争で使われた枯葉剤などに含まれ、これを浴びた人々の健康や、生まれてくる赤ちゃんに多大な被害を与えました。番組では、実はダイオキシンは過去に使われた農薬などによって、私たちの身のまわりにも蓄積されている危険があることが指摘されていました。ちなみにダイオキシンは、焼却炉でゴミを燃やすことによっても発生します。
 ところが、マスコミで大きく報道されたにもかかわらず、政府はなかなか対策に乗り出そうとはしませんでした。国民は「早く何とかしてほしい」と思っているのに、その民意が国政に反映されないのはどうしてなのか。私たちの思いが、すぐに政治に反映される仕組みをつくるにはどうすればよいのか。そうしたことを考えたいと思ったのが、私が政治学を専攻することにした大きな理由です。

写真4
写真4 調査結果を客観的に分析するためには、コンピュータが欠かせない。

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