中学校の現場から 学力調査
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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中学校の現場から

生徒の履歴をつかみ、今の指導につなげる

学力調査
学力向上に向けた指導改善のために実施

 2007年度より、国による「全国学力・学習状況調査(以下、全国学力調査)」が実施される。全国すべての小・中学校を対象に、一斉に学力調査を行うことで、子ども一人ひとりの課題、各校の課題を明らかにし、学力向上の取り組みに効果的に結び付けるのが狙いだ。
 一方、小・中学校現場では、これまでにも自治体や学校独自で学力調査を行ってきた。絶対評価の導入や地方分権が進む中、各校が客観的に子どもの学力を把握し、指導改善に生かすためだ。
 今号は、中学校が現在、学力調査をどのように行い、指導に生かしているのかをリポートする。

国として保障する最低限の学力を検証

 国による全国学力調査は、07年度から毎年4月に、全国すべての小学6年生と中学3年生を対象に行われる。調査教科は、あらゆる学力の土台となる国語、算数・数学で、家庭学習や学習意欲、読書習慣等の学習状況調査も併せて行う。
 学力調査の目的は、児童・生徒一人ひとりの学習を支援することにある。対象学年の悉皆(注1)調査とし、すべての子どもと保護者に情報を提供できるようになっている。
 問題は、基礎的な内容が中心となっている。そのため、基礎学力についての項目を全国や都道府県の平均値と比べることで、学校やクラス、子ども一人ひとりの得意・不得意を明らかにできる。小・中学校は、これらのデータを基に指導改善を行うというわけだ。調査結果は夏ごろまでに届けられることになっており、卒業までに課題を克服できる時間を確保するようにしている。また、結果を学力向上に結び付けるガイドラインや、各自治体や各校の活用法の事例集も作成される。
 国として最低限保障している学力が身についているかどうかを、国、教育委員会、教師が数値を基に把握し、不足があれば補う対策を取れるようにする。これが、この学力調査の目的といえるだろう。
 調査結果は、国としては都道府県単位での結果のみを公表する。各校個別の結果について公表するかどうかは、都道府県教育委員会・市区町村教育委員会に判断が委ねられる。地域内の学力格差による軋轢(あつれき)を避けるために公表しないという選択もある一方、地域の理解を得るために結果を公表して教育改革を進めるという判断もあり得る。あくまでも指導改善を目的とした学力調査であり、学校の序列化などを引き起こさないように配慮されている。

注1:「抽出」ではなく、対象学年のすべての子どもを調査の対象とすること


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