――優れたリーダーは、「メンバーと一緒にプロジェクトに取り組むことに、大きな喜びを感じられる人」といえそうです。
優秀なリーダーとは、メンバーの育成も図れる人だと思います。
ある会社の社長は、新しいプロジェクトを立ち上げるとき、メンバー一人ひとりに「今回のプロジェクトは、君のキャリアにとってこんな意味を持つと思うから、取り組みを通じてこういう能力を磨いてほしい」と伝えるそうです。それによって、メンバーは目的意識を強く持ってプロジェクトに参加できるという話でした。
プロジェクトを通じて、個々の能力がパワーアップし、それによってチーム自体の力も強化されていきます。専門家集団であるプロジェクトチームでは、メンバー一人ひとりが考える力や判断能力を持っていることが、チームが機能する必須の条件となります。
――将来、リーダーとして活躍できる人材になるために、高校時代に是非伸ばしておきたい力というのはありますか。
プロジェクトリーダーにかかわらず、リーダーには、どんなに困難でも投げ出さず、メンバーを励まして、最後までやり遂げる、やり遂げさせる力が絶対に必要です。
こうした力は、学校行事や総合学習だけではなく、日々の学習の中でも身につけられます。例えば、数学の微分・積分でわからない問題があっても、あきらめずに辛抱強く問題を解ける力は、そのほかの問題に直面したときでもハードルを乗り越える力につながります。ハードルを乗り越えられたという成功体験が、「I am OK.」という自信につながっていきます。生徒には、できるだけさまざまな場面で数多くの成功体験を積んでほしいと思います。
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