行政の考える英語教育 英語教育は、発信能力、コミュニケーション能力重視の方向へ
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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SELHi事業の成果を一般校にも広めたい

―「行動計画」を策定してから、現在までにどのような効果が出ていますか。

銭谷 例えば、SELHi事業では、指定校から「ALT(外国語指導助手)との活動や留学生との交流を通じ、生徒が英語学習の必要性を実感するようになった」といった生徒の英語学習へのモチベーションの改善に関することや、リスニング能力やスピ
ーキング能力、ライティング能力の向上といった英語能力面での改善に関する報告が届いています。
  更に、SELHiに取り組むことで、教師間の情報共有や協力体制の強化、大学や研究機関などの外部機関から学習指導・助言・評価を行ってもらうといった活動も進展しつつあります。
  また、02年度から全英語教員を対象に実施している「英語教員の資質向上のための研修」も、受講者数は順調に増加し続けています。この研修で特に優秀だった教員を対象にして、05年度から「英語指導力開発ワークショップ事業」をスタートさせました。参加者からは「大変充実したワークショップだった。授業で早速試したり、同僚の教員に伝授したりしたい」との声が寄せられました。今後も、英語の授業を改善していこうとしている先生方の思いを受け止められるような研修を行っていきたいですね。

―SELHi事業については、銭谷局長自ら授業見学に行かれたことがあるそうですが、いかがでしたか。

銭谷 先日、あるSELHi指定校の1年生の授業を拝見させていただきました。ほんの1時間だけの授業見学でしたから断定的なことは言えませんが、先生方が英語指導の新しい活動に非常に意欲的に取り組んでいることと、生徒が英語によるコミュニケーションに積極的にチャレンジしていることが印象的でした。
  特にこの高校のSELHiは、英語科ではなく普通科の生徒たちを対象としたものでした。そうした生徒を相手にコミュニケーション重視の授業を展開している様子を見て、従来の英文読解中心の授業と比べて、日本の英語教育が大きく変わりつつあることを実感しました。
  今後は、このような活動に取り組む高校を、もっと増やしていく必要があります。そのために、SELHi指定校の取り組みと成果について、一般校に紹介する場面を数多く設けていきたいと考えています。

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