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詳細情報
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福島県立 橘高等学校


■研究開発課題
リスニング能力の開発をとおして、英語の4技能を総合的に向上させる指導方法についての実践研究
■主要指標
・生徒へのアンケート(学習の仕方、授業への評価、海外研修後の意識調査)
・定期考査(リスニングテストを含む)
・シャドーイング等、リスニング活動における音声記録
・プレゼンテーションの映像記録とスクリプト
・生徒の英語学習カルテ(学習法やパターンの自己評価)
・運営指導員からの外部評価
■補助指標
GTEC for STUDENTS
TOEIC Bridge(1学年)
TOEIC(2・3学年)
英検
■研究内容
1.   効果的なリスニング指導を中心に4技能を総合的に伸ばす指導法の研究 (L)

2. 学習者の意識、学習の仕方が4技能の向上に及ぼす影響についての研究 (RLWS)

3. 海外の協力校との交流と異文化理解

 

2005年度以前 学校提供資料

■研究テーマ
Listening能力育成を軸とした、他技能への波及を目指した取り組み
添付資料1 取り組み概要
■そのテーマを研究しようと考えた背景
これまで、コミュニケーション重視の英語教育に対して、意識的に努力を重ねてきた。しかし、進学校としての性格上、読解力の養成が中心となりがちで、4技能をバランスよく育成する指導までは、実施できなかった。「英語が使える日本人」を育成するには、これまで以上に、「聞く」「話す」の指導に重点をおいた授業が必要である。コミュニケーション力を育むために、その基礎であり、弱点でもあるListening能力を向上させることが先決であると考えた
■当初期待していた成果
必要な背景知識と語彙を持つessay , lecture , news , dialogue を150wpmで、ほぼ完全に理解できるListening力を身につけさせる
■Listening指導により「ワーキングメモリの拡大」「ボトムアップ処理(語彙処理、文法処理)能力の向上」
「トップダウン処理(文脈処理、スキーマ処理)能力の向上」を図りながら、他技能の伸長につなげる。
また、4技能を伸長させる指導の中で、「ボトムアップ処理能力向上」「トップダウン処理能力向上」に配慮することで、更にListening能力を向上させる
■対象クラス、生徒人数
1、2年生全員320名。3年生文系192名
■指導教員、教員人数
日本人英語教諭13名、ALT1名
■指導計画
(1)方針
・生徒のListeningを困難にしている要因に配慮し、指導法を研究する
【配慮すべき要因】
■音素、音変化識別能力の不足 
■語彙の不足 
■文法、構文についての「感覚的要素」の不足 
■背景知識の不足
■英文の論旨展開法についての知識不足
・精聴と多聴の両面に配慮する
【主な指導手法】
■精聴
・スラッシュリーディングを授業の中に多く取り入れて、英語を文頭から理解する習慣をつけさせる
・ディクテーションとシャドウイングを重視する
・週1回、朝の始業前にリスニングテストを課す
■多聴
・昼休みに英語の放送を流す
・Listening教材を宿題として課す
(2)指導方法
・音声に関するトレーニング、・ディクテーションによる指導、
・シャドウイングによる指導、・区切り聞きによる指導、・リピーティングの指導、
・ほぼall Englishで行う授業による指導、・家庭学習における指導、
・presentationの指導
(3)授業での実践(1年生)
・スラッシュリーディング・スラッシュリスニングにより、英文を文頭から理解する
習慣を身につける
・音声重視の指導により、音素・変化・リズム及び文法・語法を感覚として刷り込む
・シャドウイング・ディクテーションにより、身につけた手法を血肉化する

■コンピュータLL(2単位)■英語・(3単位) ■英文法(1単位) 
■OC・(1単位)
添付資料2 平成17年度第1学年シラバス
添付資料3 3年間のシラバス
添付資料4 指導計画
■一連の指導の流れ

(1)指導方法 
・音声に関するトレーニング
穴埋めディクテーションと繰り返しの発話によるトレーニング
■nursery rhymeなどを用い、英語の強勢拍のリズムを体得させる
■市販のテキストで、音の同化、脱落、破裂音などの音変化をを体得させる
・ディクテーションによる指導(ほぼfull-dictation)
語彙や文法構造、背景知識などの様々な言語能力を総合的に用いる活動を促進する
■単語集の例文を活用し、昼休みの5分間でALTの放送によるテストを実施
■コンピュータLLで、毎時間50~70語程度の英語をディクテーションさせる
・シャドウイングによる指導
英語・:文構造の認識強化
■文単位で実施
コンピュータLL:文構造の体得。文のリズム、アクセント、イントネーションの習
得。音をつかむ力を強化し、最終的に「意味と音」を一体化
■「英文を聞き、Q&Aで内容把握」⇒「ディクテーションにより、音声を全て文字化」⇒
    「読みの難しい部分の練習」⇒「シャドウリーディングによる練習」⇒「シャドウイングの実践」⇒「シャドウイングの録音」⇒「音声の確認し、自己評価シートを作成」
・区切り聞きによる指導
コンピュータLL:文頭から理解することに慣れさせる
■chunkごとに日本語訳を挿入した音声を聞かせる
英語・:スラッシュごとに意味を理解させる
■スラッシュごとに、音声を読み上げる
シャドウイング指導:意味の塊を見抜き、塊ごとに理解させる
■前半は、区切れが入ったスクリプトでシャドウイング
■後半は、区切れを考えさせながらシャドウイング
・リピーティングの指導
■教師による、chunkごとのchorus reading
■pair reading
・ほぼall Englishで行う授業による指導
英語の指示に英語で答える機会をつくることで、ミスを恐れて英語を使うことのためらいを少なくする。理解できない表現が次々に現れることに対する耐性を形成。教員同士が授業について検討、議論する機会を増やす。教員自身の更なる英語力向上への動機づけを行う
■interactive taskにより、Listening、Speakingの機会を増やす
・家庭学習における指導
■NHKラジオ講座新基礎英語3を家庭学習させ、OC・の定期考査にてListeningテストを実施
・presentationの指導
自分の伝えたいことを、英語を用いて伝える力を育成。コンテンツ・スキーマを活性化。Draft作成において、Logic patternを習得。相手の発表を聞き、評価する活動により、聞く力を育成
■Show & Tellにて、Draftの作成と指導⇒presentationと生徒間の相互評価を実施

(2)各授業での実践 
・コンピュータLL(2単位)
■音素・変化・リズム及び文法・語法を感覚として刷り込み、シャドウイング、ディクテーションにより血肉化する
■bottom-upとtop-downを統合した授業を展開する
■スラッシュリスニングにより、英文を文頭から理解していく思考を習慣化する
■LL機器の使用により、生徒がそれぞれのペースで理解を進められる授業を展開する
■シャドウイングやディクテーションのミスを詳細に記録させることで、ミスの傾向や要因を把握させる
・英語・(3単位)
■スラッシュリスニング、スラッシュリーディングにより、英文を文頭から理解していく思考を習慣化する。また、音声指導で音素・変化・リズム及び文法・語法を感覚として刷り込み、シャドウイング、ディクテーションにより血肉化する
■文字を使わず、音声のみで本文の概略をつかませる
■授業を出来るだけ英語だけで進める
■訳読と文法の説明は必要最小限にとどめ(家庭学習プリントに集約し)、授業は口頭(音声)によるQ&Aを中心に行う
・英文法(2単位)
■Listening、Reading能力向上のための基礎となる文法事項を理解し、定着させる
■数多くの文を与えることで、様々な表現方法にふれさせる
■定期的な確認テストで、理解度の低い単元を認識させ、定着を図る
■定期テストの結果を受けて、少人数習熟度別クラス編成を行う
■ 語彙レベルにとらわれずに文構造を理解できるようにする
・OC・(1単位)
■自分の伝えたいことを英語を用いて伝える力(Speaking能力)を習得させる
■学習・体験した一般的な情報を活用するコンテンツ・スキーマの活性化を図る
■Drftの作成過程で、logic patternを身につけさせる
■相手の発表を聞き、評価する過程で、聞く力を身につけさせる
   
添付資料5 授業手順(日本語)

添付資料6 TEACHING PLAN for Lesson6
添付資料7 Lessn6 生徒用ハンドアウト
添付資料8 Lessn6 Listen & Answer
添付資料9-1 Lessn6 Grammatical point

添付資料9-2 Lessn6 Grammatical point
添付資料9-3 Lessn6 Grammatical point
添付資料9-4 Lessn6 Grammatical point
添付資料10 TEACHING PLAN for LL
添付資料11 LL Dictation & Unicorn EI
添付資料12 Dictation blank
添付資料13-1 英語学習カルテ(1学期その1)
添付資料13-2 英語学習カルテ(1学期その2)
添付資料13-3 英語学習カルテ(2学期その1)
添付資料13-4 英語学習カルテ(2学期その2)

■成果
■GTECのListeningスコアの伸び率が、前年度よりも高かった。カリキュラムの中で、前年度と異なる部分はLL演習であることから、この授業が伸び率に貢献している可能性はあるものと思われる
【GTEC Listeningスコアの推移】
2004年度入学生 1年159⇒180 
2003年度入学生 1年168     ⇒2年182
2002年度入学生 1年170     ⇒2年182 ⇒3年178
■それぞれの指導手法や授業実践についての詳細な検証は、17年度末および18年度時
点のデータを元に行う
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