一方、現場の教師からは「生徒が自己の学力を把握できなくなっているのではないか」「目標が以前より低くなり、基礎的な事項の理解だけで満足しているのではないか」という見方もある。理解度の向上については、慎重に見る必要があるだろう。
以上から、(1)偏差値50以上55未満の学習時間の減少、(2)偏差値55未満の受動的な学習スタイル、(3)偏差値50未満の「そこそこ志向」という高校生の実態が見えてきた。これらに対して、学校現場はどのような状況で、どう対応しようとしているのか。次ページからは、3人の現場の先生方と、分析を担当したお茶の水女子大教授の耳塚寛明先生に話し合っていただいた。
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