三木 医学系の大学院の場合、大学卒業後、すぐ大学院に入れるわけではありません。医師の国家資格を取得して研修医となり、更に病院で何年か勤め、なおかつ研究をしたいと思ったら、大学院を受験するという形になります。私は現在、大学院で研究をしていますが、医者としてのスキルを維持するために、週1、2日は病院で働いています。治療法も日進月歩で進んでいるので、新しい薬や治療法の情報を得て、研究に生かすためです。研究だけに没頭するのではなく、医療の現場に立つことが必要なのです。
仁科 医師として働いていた数年間、研究のブランクがあるので、最先端の知識や技術に遅れをとっている面がありました。しかし、私たちは「研究者」である以前に「医者」という意識が強くあります。病気を直接診て、それを治すためにはどうすればよいかという視点に立っているので、いろいろなアイデアが出てきます。今は治せないけれども、いつか患者の治療に役に立つ日が来るかもしれない研究をしているということが、やりがいであり、モチベーションにつながっています。
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