中学校、高校時代の授業は「何の役に立つのかわからない」と思う人もいるかもしれません。私自身、そうでした。でも、あのころの勉強のおかげで、研究にさまざまなヒントを与えてくれる教養が身についたのだと思います。特に大学入学後の2年間は、いろいろな勉強をしました。哲学や心理学、社会学なども興味深く学びました。全く違う分野の人たちや企業人と話すときでも、研究目的と全く無関係ではないのです。解決のヒントはどこに隠れているかわかりません。化学の専門家だからといって化学の専門誌だけを読んでいては、アイデアは広がらないのです。
また、大学は「学ぶ」ところだと思います。最近では、アルバイトで稼ぎながら勉強することを美談と捉える節があります。しかし私は、できる限りアルバイトはせず、その時間を勉強に費やすべきだと考えます。「学ぶ」ということは、それくらい重いものであり、その後の人生を形づくる重要なことなのです。
ですから、勉強には目的をもつことが大切です。目標を細かくきっちり決める必要はありませんが、その大学に進学して勉強する目的を決めておくことが、大学生活を充実させることにつながると思います。
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