長山中学校が小中連携を始めたきっかけは、03年度から2年間、文部科学省の学力向上フロンティア事業の指定を受けたことだ。校区の2つの小学校と共に、校長・教頭・教務主任からなる「3校連携推進会議」を月1回開催し、9年間を見据えた学習指導の在り方を話し合った。取り組みの中心は数学と理科となったが、その理由を研究主任の若林克治先生はこう説明する。
「小学校では通常、すべての教科を1人の教師が担当します。しかし、小学校の教師は理系出身の割合が低く、以前から『算数と理科の指導を中学校に支援してほしい』という声が寄せられていました。また、本校では以前から中1生が入学した直後の学力調査の結果を、中学校区の小学校と共有していました。その調査結果を、小学校と中学校の双方が単元レベルまで遡って分析したところ、数学と理科で小中の指導のギャップが大きいことがわかってきたのです」
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