以上のような課題を踏まえ、同校はそれぞれ次のような取り組みを始めた。
1.小中共通の問題集を作成(算数・数学)
算数・数学では、小1から中3までの各段階で何を身につけるべきかを、小学校と中学校の教師が一緒に検討した。そうして洗い出した項目に基づいて、小中の9年間で着実に力を積み上げられるよう構成した、小中共通の問題集を作成した(図1)。「四則計算が弱い」「2つの小学校間で指導の温度差がある」といった小中共通の課題を踏まえて、問題を選んでいった。
「この問題集を、復習、宿題、振り返り学習などで活用することで、小学校でのつまずきを中学校でフォローできるようになりました。例えば、一次関数が苦手な生徒の中には、実は小学校の分数の計算の段階でつまずいているようなケースも見られます。こうした場合には、小学校に遡って学習することが有効ですが、それを容易にできるようになりました」(教務主任・塚本博美先生)
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