長山中学校の取り組みは、着実に成果を上げつつある。数学では、基礎計算力が向上した。理科では、実験器具の使い方の指導が効率化されたことで、教科内容の理解に十分な時間をかけられるようになった。県の学力診断テストでの数学と理科の成績は、学年が上がるにつれて、県平均を大きく上回る傾向が見られている。
数値に表れない部分では、小学校から「実技指導のおかげで、理科の実験などの負担が大きく減った」という声が寄せられた。また、「一人ひとりの中学校教師の指導力が向上している」と廣瀬文男校長は話す。
「小学校の先生は子どもの興味を引き付け、一人ひとりの子どもを丁寧に見て指導することが大変上手です。小学校との交流を通じて、そうした技を身につけることで、中学校教師の指導技術が向上してきていると感じています」
同校では、文部科学省の事業指定終了後も小学校との連携を続けている。
「研究を通して、小学校との連携に大きな効果があることを実感したからでしょう。教師の間から自発的に続けたいという声が上がったのです」(中村博吉教頭)
現在、長山中学校と小学校の連携は、他教科や「総合的な学習の時間」、学校行事の連携にまで広がっている。
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