教科指導最前線・英語

 
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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絶対評価のテストで英語力の伸びを実感させる

 授業の変化に応じて、定期考査の内容も変えた。日本語訳の出題を一切なくし、英文の空所補充や並べ替え問題、和文英訳など、習った英文を再生させる問題を設けている。それらは、「日本語訳を覚えるだけでは絶対に解けない問題」(沖先生)だ。試験に先立って、事前に日本語訳を渡し、「このパートは間違い探し」「このパートは空所補充」など、試験の内容と形式まで伝える。定期考査は実力を測るものではなく、あくまで「授業を定着させる総まとめ」と位置づけているからだ。
 英語力を測るツールとして重視している1つにベネッセの「GTEC for STUDENTS(以下GTEC)」がある。GTECでは語彙力や速読力、リスニング力など、一つひとつのスキルの習得度を把握できるため、弱点を踏まえた効率的な学びが可能になる。また、絶対評価のテストため、受検のたびに生徒は英語力の伸びを実感できる。
 「相対評価では、力の伸びを実感しづらい面があります。努力をすれば必ず英語力は伸びることを実感してほしいのです」(沖先生)
 06年5月に2学年全体でGTECを受検、12月には希望者で実施したところ、2回目受検者の9割以上がスコアを伸ばした。また、1年次から実践的な英語力の涵(かん)養に努めてきたことを反映し、全体的に表現力が身についていることもわかった。
 07年度、沖先生の学年は大学受験を迎える。
 「生徒は確実に表現力や速読力、リスニング力を身につけています。今後はより深い読解力と出題の意図をつかむ力の育成など、これまでの実践と入試問題を結び付ける指導をしていきます。授業を通じて、生徒は英語を学ぶ楽しさを知り、やればできるという実感を得ました。それを糧に実社会で活用できる力を身につけてほしいと思います」(沖先生)

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