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ペアワークにより「直読直解」を目指す
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こうした力を身につけさせるために、沖先生の学年では訳読式の指導ではなく、英文の「直読直解」を目指す指導に切り替えた。例えば、従来の予習では、ノートの左側に英文を書いて、右側に日本語訳を書かせることが多かった。05年度の1年生からは「予習シート」を作って、入試に近い実践的な課題に取り組ませている(下図)。「本文の内容にあっているか、いないか」「itが指すものは何か」など、内容にかかわる出題を多くし、文意の正確な把握や英文の構造の理解を促す。
授業の進め方も大きく変えた。教師が生徒を当てて、英文を日本語に訳させる活動は全くせず、できるだけ生徒が英語を聴いたり読んだりする時間に充てる。予習シートの解説、文法の説明などを一通りしたあと、リスニングによるディクテーション(書き取り)や、読みの練習を徹底的に繰り返す。
中でも、ペアワークを重視する。生徒がペアになってスラッシュリーディングを行い、片方が英文を読み、片方がそれを訳すということを交互に繰り返す。あるいは、英文の一部が日本語の文章を、英語に直しながら素早く読み上げる。ペアワークで使うテキストは、すべて教科書の英文だ。同じテキストをやり方を変えて何度も読ませる。生徒は1パートにつき7~8回は同じ英文を読むことになる。
「一番の目的は、表現力を身につけさせること。英語を『使える』生徒は、表現の種類が豊富です。英文の意味や文法の構造を理解した上で同じ英文を何度も読んだり、実際に使ったりすることで、表現力が身につき、直読直解につながっていくのです」(沖先生)
05年度からは、オーラルコミュニケーションで英語Ⅰで習った表現や文法を使ったコミュニケーションの練習を始めた。06年度からは、ALT(外国語指導助手)との共同授業で、英字新聞を読み記事に対する意見を英作文させる活動などを行っている。新しく習った表現や文法を定着させるために反復練習を行いながら、学習した内容を実践的に運用することで、表現力の育成と定着につなげている。 |
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