高校生の今は、将来何をしたいか決まっていないという人が多いでしょう。そういう人は、自分は何が好きなのか、何がしたいのか、自分自身でよく考えてみることです。本当に好きなことでないと、一生懸命になれません。実は、私は大学進学時にフランス文学や美術も進路候補に考えていました。でも、中央アジアへの思いが捨てきれず、東洋史を選んだのです。
そして、夢がすぐ実現しなくてもあきらめないことです。障壁があっても、別の方法を探す。夢を抱き続ければ、チャンスは訪れます。結局、私がチベットを訪れたのは1980年、54歳のときです。インドに渡ってから30年近く経っていました。
もう一つ大切にしてほしいことは、人との出会いです。今の私があるのは、大学受験を勧めてくださった先生、私の希望を理解してくださった先生、インドやスウェーデンの奨学金を得るのにつながった人々との出会いがあったからです。ただし、ぼんやりしていては、せっかくのチャンスも逃してしまいます。どんなことでも自分のやりたいことを持ち続ければ、自ずと道は開けると思うのです。
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