特集 変わる地方国立大
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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中央一極集中から多極分散の時代へ

 本学は、02、03年度に文部科学省地域貢献特別支援事業」に認定され、県内全域でさまざまな地域貢献事業を展開してきました。
 例えば、「地域創成型学生参画教育モデル」と「高齢者障害者の生活行動支援教育システム」は、地域から学んだことを大学の教育システムに取り入れる取り組みです。前者は、キャンパス外の体験活動を通して、学生に課題探求力・問題解決力を身につけさせると共に、教育活動自体が地域を動かし、地域の再生に役立つことを目的としたものです。後者は、「高齢者・障害者の自立」をキーワードに医・文・理が融合した教育プログラムを開発するものです。生活用品、家具、住宅など製造・建築業との連携によって地域の活性化も期待できます。
 今後は、地方で学んだ優秀な人材が都市部へと流出するのではなく、地方の高いレベルの知を学ぶために地方からも中央からも人が集まり、多様な分野で活躍する人材が地方発で巣立っていく時代になると考えます。地方国立大を拠点とした知や人材の流動は、これまでの「中央一極集中型」から「多極分散型」に転換していくのではないでしょうか。
 地方国立大として、多様な価値観が共存する時代にふさわしい社会の創造と、それを担う人材をどのように育成していくのか、これからも挑戦を続けていきます。


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