特集 変わる地方国立大
長谷川 照

▲佐賀大学長

長谷川 照

Hasegawa Akira

京都大理学博士。佐賀大理工学部教授、学部長等を経て、03年度から現職。

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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佐賀大学長◎長谷川照

「地域貢献」が今後の
地方国立大の魅力を決定づける

「地域の拠点」として発展を目指す

 言うまでもなく、大学の本分は「研究」と「教育」にあります。しかし、魅力ある大学を目指す地方国立大の改革を見ると、3つめの柱として「地域貢献」というキーワードが浮かび上がってきます。地域に存立する「知の拠点」「人材育成の拠点」として地域と共に発展することを目指す。これが、今後の地方国立大の魅力を決定づける重要な要素になるでしょう。
 例えば、本学の医学部では「人材育成の拠点」として新たな挑戦を始めています。医学部は、先端医療科学・看護科学の研究開発の場であると共に、医師、看護師など医療関係従事者の養成機関です。この立場から、地域医療にどのような形で貢献できるのかを考えていかなければなりません。
 本学の医学部は設置から28年が経ち、毎年100名近くの医師を輩出してきました。ところが、いまだに佐賀県の隅々にまで医師が配置されている状況にはありません。そこで、2005年度の推薦入試から佐賀県の高校出身の受験者を対象とした募集人員枠を設けるなど、どうすれば地域医療に貢献できる人材を確実に育成できるのかを模索しています(P.23~25参照)。


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