電子スピンは、その性質を利用することによって、より高性能なエレクトロニクスへの応用が期待されています。
その代表的な例は「スピントロニクス」という技術です。これは、電荷と電子スピンという電子の持つ2つの性質を利用して、新しい機能を持つ素材や素子を開発する研究分野です。現在、電子スピンの「アップ」と「ダウン」という動きを制御して、片方を0、もう片方を1とすることで情報を記録するという方法を使って開発された磁気ヘッド(データを読み書きする際に重要な部品の1つ)や、「MRAM(エムラム)」と呼ばれるコンピュータのメモリが実用化されています。
物理学では、同じ現象でも見方を変えると全く違う結果が得られることがあります。それが物理学の難しさでもあり、また面白さでもあります。今後は、大学や研究機関の研究員として更に研究を深めて、そうした物理学の面白さを追究していきたいと思います。 |