2年生では、1日農業体験やジャーナリストによる職業講演会などで、より社会に目を向けさせる。中心は5日間の職場体験で、職場決定までのプロセスに特徴がある。
生徒はまず「履歴書」を書き、教師との「面接」で自分の知りたいことや得意なことをアピールする。並行して、教師は「挨拶ができる」「マナーがしっかりしている」など、受け入れ先の事業所が求める人材像を明記した「求人票」を作って貼り出す。訪問先は、生徒の希望や面接の結果を考慮して決めるのだ。結果は、「採用通知」として生徒に手渡される。どんな生徒も、このときばかりは緊張して両手で受け取るという。このプロセスを経ることで、「生徒は、働くことの重みを感じるようです」と藤井先生は評価する。
職場体験の事後学習でも、内面の変化を重視した活動を取り入れる。活動日誌に毎日の気分を顔文字で記録させ、活動後に「1週間の気持ちの変化」としてグラフ化、その理由や出来事を振り返らせる(図2)。
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