教科指導最前線・数学

森元 聡

市立函館高校 *1
森元 聡

Morimoto Satoshi
教職歴20年目。同校に赴任して13年目。1学年主任。「自ら考える力を備えた、粘り強くくじけない生徒の育成を目指しています」

*1:2007年4月に函館東高校と函館北高校が統合し開校。教師プロフィールの赴任歴は前身の高校からの年数

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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教科指導最前線

数学

復習中心のプリントを活用し数学的な考え方の定着を図る

昨今の大学入試で求められる確実な基礎力と実践的運用力。その2つを養う鍵は、公式や定理の背景にある 数学的考え方を身につけることだった。市立函館高校の森元聡先生は、こまめな復習で授業内容の確実な定着を図り、学力向上を実現させた。

問題のパターンではなく「考え方」を身につけさせる

 「今の生徒に欠けているのは、自分の力で何かをしようとする意志。努力や我慢を嫌う傾向が強く、勉強への取り組み方も曖昧(あいまい)です」
 そう語る森元聡先生は、学習内容の減った新課程で学んできた生徒の基礎力低下を憂いつつ、今の生徒像を次のように分析する。
 「公式を当てはめて計算する問題は得意ですが、そこに少しひねりが加わったとたん、行き詰まってしまいます。その理由は、答えを導き出すまでの考え方が理解できていないからです。なぜそうなるのかを考えるのではなく、この問題にはこの公式とこのパターンを、というように覚えてしまうから起こる現象といえるでしょう」
 だからこそ、森元先生は生徒に「公式を丸暗記するな」と言い続ける。重要なのは、どうすれば答えに到達できるかを見抜く力であり、公式はその一助と考えるからだ。そもそも、生徒が持つ数学への苦手意識を払拭させるには、「できる」という成功体験を積ませていくしかない。たとえ基礎的な問題だとしても正解して嬉しくない生徒はいないし、「できる」ことがやりがいとなれば、やがては数学を楽しく感じるようにもなる。
 「数学を楽しいと感じられる理想的なサイクルを構築するためにも、『考え方』を身につけさせることは非常に重要になるのです」(森元先生)

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