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日々の積み重ねによる基礎力の定着
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理解力と思考力、そして実践力。大学入試でも必要不可欠とされるこれらの力を着実に身につけさせるため、森元先生が活用するのは数種類のプリントだ(図)。授業は、毎回の復習として位置づけている15分間の小テストから始まる。10点満点中7点以上が合格で、満点でなければ間違った問題を、不合格だった場合は全問を休み時間などにやり直し、正答できるまでは帰宅できない。加えて、不合格者は、本来翌日に提出すればよい課題プリントも併せてこなし、全問正解を課している。 |
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「厳しいとは思いますが、習ったことをその日のうちに確実に身につけることが、ひいては生徒本人のためになります。小さなことを積み重ねていく大切さを伝えたい、という気持ちもあります」(森元先生)
小テストは、生徒による相互採点というスタイルだ。教師の模範解答を基にほかの人の答案を採点することで、答えを導き出すまでの過程にも注目させることを狙いとしている。 「休み時間や放課後に生徒同士がわからないところを教え合うことで、受験という団体戦に向けての雰囲気づくりができるだけでなく、人に教えるという行為を通して自身の理解を更に促す効果もあるのです」(森元先生)
そのほか、過去に習った項目も再確認プリントにして、森元先生が「そろそろ忘れたころだろう」と考える時期に配付。これは配付日の昼休みまでに提出しなければならない。
いずれのプリントも問題数そのものは決して多くはなく、極端に難易度が高いわけでもない。特徴は、比較的短時間でこなすことが求められる点だ。
「特に大学入試センター試験では、決められた時間内に多くの問題を解くというスピードも求められますから、そのための訓練という意味合いもあります。これまでの練習から、3年生になれば、同程度の問題を1年生のときの半分ほどの時間で解くことができるようになります」(森元先生)
授業で説明を聞いているときはわかったような顔をしているが、本当に理解はしていない。そんな生徒にいかにして理解力と思考力を身につけさせるか。それがこの10年来、森元先生が持ち続けているテーマだ。過去には0時間目に補習をしていたこともあったが、部活動や他教科の勉強で余裕のない生徒は、かえって予習がおろそかになる。それならば、復習として毎日確実に理解したことを積み重ねていく方がずっと効率的だ。これが森元先生の出した結論であり、それを形にしたものがプリントなのだ。 |
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